野見山暁二に出会う

たまたまのチャンネルで出合った老画家とその作品ー
もしや「野見山!?」との、なんとはなしの予感はまさに!
そしてひきつけられるままに見続けているうち
あの東北大震災に彼がどう対峙したかがかたられた。
彼が訪れた三か月後の東北の地ー。人間のなした技のすべてはことごとくひっかきまわされ
無に帰したー
人の所業のはかなさにー「なすすべもなく」、「行きくれる」。
彼の語るこの言葉に、これこそがすべてを語る。
でもなお人は、あらん限りの力をふりしぼって生きる。
画家野見山はキャンバスに其の生のすべてのエネルギーを注ぎこみ
そして人は、人それぞれの道に今ある生のエネルギーを注いで生きる。
自然のエネルギーにあらがうことは誰にもできず、でも生への絶望は抱かない。
強靭な人の生きる力を野見山にみた。

美しい二人の妻を見送ってなお生きる野見山の強さは神の領域に近いー