美しき大自然の集約 西芳寺


西芳寺庭園の完成の後には時の天皇始め多くの貴賓も訪れたといいます。
それこそ粉骨砕身の気合いのいれかたで
国師の造営した庭は現在にもまして
たいそう美しかったことが想像されます。
とくに山桜を愛し、たくさんの桜が植えられ
花の季節には相当に華やかなシーンもみられたことでしょう。
山桜には気品があります。
染井吉野とは違い、花と同時に薄紅をおびた葉もみられます。
大自然をこよなく愛した国師がこの桜をめでたのもよく理解できます。
 私も自邸に植栽をこころみたことがありますが
 なんとー、育ってみればウワミズザクラでガックリ!
 それはそれで風情がなくはないのですが・・・
修行として大自然の中に身をおくことがかなわなかった国師
この西芳寺庭園はその代替としてもみたされるものでありたいー
その悲願がみのった庭だったことが思われます。
何物にも代えがたい自然の中での日々の営みー
無の境地を手に入れながらもなお自然とはかくも偉大な存在。

庭つくりにおいては私も「自然」を核にすえていこうとかんがえています。
たとえそれが洋であろうと和であろうとー