表参道ー屋上庭園

商業ビルの三階にこの庭はあります
写真家、現代美術アーティスト杉本博司氏の作
写真家がなぜ?というはじめの疑問は氏の仕事の流れをしれば必然お経緯としれます。
石への興味、そして石の持つ歴史。その歴史は地球何億年の昔にまでさかのぼり
氏の捜索へのイメージは縦横に宇宙をかけめぐります。このシンプルな庭にも石の持つ汎宇宙性、
そして人の歴史とともに生きてきた個としての石の歴史が感じ取れます。
巨大な一枚板のテーブルはアラスカのシーダー。そこに座って静かに庭をながめれば
宇宙と地球の存在がじんわりと伝わってくるような気がします。

庭の現代的なありようを新たな視点で示している作家をしることができたのは
幸運なことでした。ワタリウム庭園倶楽部の「作庭ー日ー記」という講演会のご縁でした。
自分の目しか信じないという作家はほかのさまざまな分野でも目からうろこの視点を
みせてくれます。昨年訪れた直島の護王神社の設計がこの杉本氏の手になることを知ったのも
なるほどーでした。神社建築に新たな着眼点を取り込みながら
人類の宇宙観、日本人の宗教観を取り込んだ設計は単なる現代アートをはるかに凌駕する
普遍的な価値を感じさせてくれるものでした。そして巨石を中心にすえた設計の雄大さー
アートを超えた圧巻の存在です。