椿の巨木  

川田谷の友人のN邸の庭には          
樹齢をゆうに百年は越すと思われる[ヤブツバキの大木が何本もあります。
幹の周りは両腕でやっと抱えられるほど。
空に届きそうな高さに枝葉を伸ばし
つやつやとよくしげった葉に
しっとりと
赤い花弁と黄色のしべが豊かな色彩をおりなし
それはそれは美事です。

古来、椿は高貴にして神聖な花であったそうです。
奈良東大寺のお水とりには今も椿が欠かせないそうですし
椿を好んだ英雄もあまた。貴族には
椿を介した交友も盛んであったといいます。
近代になってから散るさまを
首からおちるえんぎでもない花ーなどと
いいがかりのようないわれかたが発生。

でも椿は素敵ー。とくに一重のヤブツバキ
姿かたちのすべてに気品があります。

それにしてもあるべきところを得て咲く、というのはかかせませんが。]