秋篠寺  そしてハラン



                 秋の日は一人静かにお茶を楽しみます

もう何昔前のことだったか・・・
訪れた大和秋篠寺ー
娘のゆきが小学生のころ、
よく似ているといわれた紀子さま
そのゆかりの寺ということで何がなし
親しみ深く、御本尊にも技芸をさずかりたく
おとずれたー。
なんとビックリの庭。庭一面の緑の海。
はらんが、まるでなみのうねりのように
しげっていた。どなたかの偏執かーはたまた何か
いわれあってのことかー
たしかめることはなかったけれど
あの一風変わった庭の風情は、思いおこしても
幻だったかもーという気さえする。

ハランは意外に良くつかわれる庭や生花の素材。
洋風和風なんとでもよく調和する存在感のあるすぐれもの。
亡き私の祖父ー遠州松風流最後の家元ーは
葉蘭の名手であった。一枚の葉をたわめたわめて
波の流れるごとく右に左にうねらせた。
ゆらゆらともせず、あれは秘密の奥義であったか?!