造園のディ−テイル(最終) その8 すがすがしさ

何回かにわたって造園のディ−テイル、つづってきましたが
よい庭をつくる要素はこれといって限定されたものではないと思いますが

あえてまとめていえば、よい庭は
すがすがしい清潔感と人為をそれと感じさせないナチュラルさ
そのふたつをそなえているものと感じます。

私がこれまでの人生で最高に美しいと感じ、今も心にのこる自然の光景をあえていうと
秩父のこけむした原生林、それと鳥海山の雪渓に咲いたヒナザクラの大群落。
すべてのこの世のけがれが浄化され、そこにあるべきもののみが
自然の力で精選され、その果てにうみだされた自然の美。それこそが
「何もいらない。何もたさない。」究極の美の世界でした。

造園は、すべて人の手でなされる疑似的な自然。でも庭園の美の目標としては
「何も要らない。何もたさない。」その境地をめざしたいと思っています。